胚培養士の資格あれこれ

こんにちは、培養士のS原です。台風9号が近づいてきたと思いきや、新しく発生した10号が週末にやってくるようです🌀
ものすごく発達して非常に強い状態で鹿児島に接近または上陸するという予報で、とても心配です😔
備えをしっかりとしておきたいと思います💪

台風の状況によっては患者様に土~月にかけて予約や連絡時間の変更をお願いすることになるかもしれませんが、その際はご了承ください🙇

 

さて、今回は私たち胚培養士の資格について書きたいと思います。

去年の記事になりますが「培養士とは?」で軽く書きましたが、胚培養士にはいくつか資格があります。どれも学会認定のもので国家資格ではありません。
胚培養士としての資格は2つあって、日本卵子学会が認定する「生殖補助医療胚培養士」、日本臨床エンブリオロジスト学会が認定する「臨床エンブリオロジスト」があります。

どちらも受験資格の条件は似たようなもので、かなりざっくりいうと
・大学または大学院で生物関連の科目を習得している、または臨床検査技師か正看護師の資格をもっている
・胚培養士として1年以上の臨床実務経験がある
が共通であとは各学会の指定する学会や講習会への規定回数の参加などが条件となります。

そう、胚培養士として働き始めたときはみんな資格はないのです!裏を返せば、まあ誰でも胚培養士として働くことは一応可能です。

実際の資格試験は、筆記と面接があります。臨床エンブリオロジストのほうは実技試験もあります。
過去の記事でも書いてますが…いやー、面接がほんと、苦手です(笑)

見事試験に合格すると、5年間の資格が与えられます。
5年ごとに更新する必要があり、更新の条件は
・臨床の現場で従事し続けていること
・規定の回数学会へ参加していること
となります。ただし、転職や妊娠出産などで働けない場合は3年までは凍結できます。それ以上現場から離れると資格は取り直しになります😵

ですので、胚培養士の資格を持っているということはそれなりに知識、経験があるということになります、一応。

人数的には生殖補助医療胚培養士が多いです。胚培養士として就職したら、とりあえず生殖補助医療胚培養士を目指すことになることが多いんじゃないかと思います。
ちなみに上級資格としての「生殖補助医療管理胚培養士」というのもあります。

どちらかの胚培養士の資格を持つ胚培養士がいる施設というのも、病院選びの一つになるのではないかと思います☺
当院は現在5名の胚培養士がおりますが、全員生殖補助医療胚培養士の資格を持っています。

これは更新書にはなるんですが、施設によっては待合に認定書を掲示してたりしますね(当院は掲示してないです、あしからず😅)

 

長くなってきましたがもう少しお付き合いください😊
もう一つ、当院の胚培養士が持っている資格があります。

日本不妊カウンセリング学会認定の「体外受精コーディネーター」という資格があります。
これは「不妊治療において、特に体外受精や顕微授精などの高度生殖医療(ART;Assistted Reproductive technology)を受けられる人々に対して、ARTに関する適切な情報提供活動を行い、カップルが最適の不妊治療を選択することができるよう不妊カウンセリング・ケアの実践や研究活動を行う(HPより引用)」という資格です。
資格の条件には学歴などはなく、「医師や胚培養士とほぼ同等の知識を有し、生殖医療の理論と内容を熟知した医療関係者が望ましい」というものです。規定の講習会に数回参加することで受験できます。

施設によっては「体外受精コーディネーター」という職種として独立していることもあり、患者さまへの説明などで活躍していると思います。
当院は胚培養士数名がこの資格を持っています。

こちらも5年で更新が必要な資格です。同じ学会認定で「不妊カウンセラー」もあり、そちらは看護師が数名持っています。

長々と書いてしまいました💦
資格が全てではありませんし、資格を取ってからどうしていくかが大切だと思いますが、参考までに…資格のお話でした😄